CASE3:何気ない日々を彩る洋食レストラン『LIFE』

Vol.1

街の空気を感じることからのスタート

CASE3では、店舗設計をさせていただいた浜北区にある洋食レストラン『LIFE』様の建築を紹介したいと思います。 レスランなど店舗の設計は、普通の住宅に比べて少し特殊です。

何が特殊なのかというと、施主様のご要望について真剣に応えるのは当たり前ですが、加えて、そこに訪れお客様のことも真剣に考えてデザインする必要があるからです。

つまり、施主様の思いやこだわりと、訪れるお客様が求めているものをつなぎ合わせることが建築家の仕事となるのです。

さらに言えば、『お店のデザインの印象 = お店の第一印象』となってしまうので、その責任は重大ともいえます。

そこで、まず初めに考えたことは、設計のことでなく、このお店に訪れる人はどんな人だろうか?というリサーチをすることでした。

なぜなら、このお店に訪れる人が会社帰りのお勤めの方なのか、若い方々なのか、もしくはご家族なのかで、コンセプトも大きく変わり、それに応じて店舗デザインも180度変わってしまうからです。

そのためにまず行ったことは、実際に散歩をして、その街を空気を感じてみることでした。

<この店舗があるエリアの特性>

この土地の特性は、浜松市の中で唯一人口が増えている街であり、
また、繁華街から遠くに離れた郊外の住宅地。

 

 

目指したのは『遠くても足を運びたくなるお店』

街を歩いていると、新しい建物が考えていた以上に立ち並んでおり、またベビーカーを引いたお母さんや、公園でお子様と一緒に遊ぶご家族の姿をよく見かけ、繁華街にはないゆるい時間の流れを感じることができました。

また、もう一つの特徴としては、あまり居酒屋のような飲食店がないことです。

おそらく会社勤めの方が飲みに行く場所は、この浜北区ではなく、会社近くの繁華街であり、そこで食事を済ませてからこの浜北区に帰ってこられるからです。

そう考えると、このエリアは、会社勤めの方が同僚と飲みにくる場所ではありません。たとえば平日のお昼にママ友同士でランチを楽しむ場所であったり、休日に家族で食事に出かけるなど、このようなイメージが自然と湧いてきました。

また、このお店で使われている野菜は、自家農園で栽培された有機野菜を使っており、素材にとことんこだわっています。

ですので、この素材へのこだわりを店舗デザインにおいて上手く演出することができれば、他のエリアの人たちであっても、足を運びたくなるようなお店にしていけると考えました。

 

自然素材が持つ本来の魅力を引き出すデザイン

そのためには、

①可能限り自然界にある素材を使って設計すること、

②そして、その素材が持つ本来の魅力が最大限引き出されるデザインであることが大切だと考えました。

この2点を軸に細部までとことんこだわっていったのです。たとえば木が持つ本来のぬくもりや暖かさ、素朴さを引き出すために、照明1つにしても、その光の色や強さ配置など細かいところにまで配慮をしています。

加えて、オシャレで洗練されている空間であることも大切です。なぜなら、オーガニックレシピは、今の時代の流れと、とてもマッチしているため、メインのお客様像は流行やトレンドに感度が高く、オシャレへの意識も高い方だからです。

 

 

施主様の思いとお客様の思いを繋ぐコンセプト

このように様々な視点でから考え抜ぬき、施主様とも何度も打ち合わせを重ねた結果、

このお店は、「気をはって意気込んで訪れる場所ではなく、気軽な気持ちで立ち寄れる場所であり、また自然素材が持つ暖かさやぬくもりを肌で感じられるオシャレな場所」

にしていくことで意見が一致しました。

平たくいうなら、町の中に佇むオシャレなカフェのような暖かさや存在感を演出したいと考えたのです。

これであれば、このお店が提供するオーガニック野菜を使ったメニューコンセプトともバッチリはまります。

このお店のコンセプト作りの部分については、施主さんと何度も打ち合わせを重ねながら決めていきました。

やはり、お互いが納得してプロジェクトを進めていかないと、本当に素晴らしい建築は出来上がりませんから。

 

↑PAGETOP