女性が家を建てる時にこだわりたいのは、何と言ってもキッチン。
中でも「対面キッチン」は絶大な人気があります。
そして、普通の建て売り住宅の場合、
キッチンと対面しているのはダイニングです。
ですが、そのご家族にとってベストな生活スペースを作ると考えた時、
やみくもにダイニングキッチンにしてしまうのではなく、
「本当にダイニングキッチンで良いのか?」と
原点にたち深く追求する必要があります。
たとえば、キッチンを一番使う奥さんが
「家族の様子を見ながら料理を作りたい」
と考えた場合を少しイメージしてみてください。
実は奥さんが料理を作っている時、
ほとんどの場合、家族はダイニングではなく、
その奥にあるリビングで、テレビを見たり、
子供が宿題をしたり、くつろいで過ごしているケースが多いのです。
つまり、せっかくキッチンがダイニングと対面していても、
料理中にダイニングで過ごす家族がいないため、
奥さんの希望である「家族の様子を見ながら料理を作りたい」
という要望を満たすことができません。
そこで、私が設計したある建築(写真の建築)は、
キッチンの向かいをダイニングではなく、リビングルームにしました。
これでキッチンに立つ奥さんは、料理中や片付けをする時も、
家族の近くで、子供の様子を見ながら、会話を楽しむことができます。
やはり、どんな時も常識にとらわれることなく、
そこに住む人たちのことを想像しながら
デザインしていくことが大切になります。